闇の列車、光の旅

TOHOシネマズシャンテ@日比谷で鑑賞。
新聞で記事が載ってて見たくなったのだが、宣伝の割に上映館が少ない。
というか東京はここだけ。
劇場の感想としては、「傾斜少なっ」という感じ。
地下1階のスクリーン3(190席)での上映だったのだが
15×12位ののスクエアなハコで、最前列と最後列で座席の高さが50cmくらいしか変わらない。
最後列で見た自分は前のおばちゃんの頭で字幕を見るのに苦労した。
携帯マナーのCMとかはオシャレでさすが(何が?)という感じ。
7割くらい座席は埋まってた。30代以上の落ち着いた客層。

空虚な不良と希望を抱く少女の旅路を描くロードムービー

…というのが本作のストーリー。序盤は2人のストーリーが別々に展開。
メキシコ南部でギャングに属しながら彼女に浮かれ、ちょっと浮いた存在になってるカスペル。
ホンジュラスで父親の思いにほだされ、
(不法入国で)アメリカでの生活を目指して北へと旅に出るサイラ。
ギャングがサイラの乗った貨物列車を襲撃したことでこの2人が出会い、
先のない旅路を巡る。
ギャングのリーダーによる恋人の死と(リーダーを殺したことによる)ギャングからの復讐、
という夢も未来もなくなったカスペルを
彼と共にいること、その先の幸せを信じるサイラが少し変化させる。
2人の境遇、旅路に中南米の抱える社会問題を絡めながら旅は進んでいく。
スカッとする作品ではないけど考えさせるいい作品だった。
ただちょっと状況がわかりにくい部分があったのが玉に瑕。
サイラたちが川渡ってメキシコに入国したあと、警備隊に捕まってた気がするのに
あっさり北行きの列車に乗ってて「あれ?強制送還されないの?」などと思った。
自分の読解力がないのでしょうか。
キャラクターについて。
サイラの深みのある視線の演技が良かった。
あと、ギャングのリーダーはどう見ても悪役なのだがカリスマ性というか魅力を感じるから困る。顔の刺青はカッコイイけどコワイデス。
舞台となるメキシコの風景は美しい。鬱蒼とした茂みや川を照らす夕暮れはため息が出るほど。でも街や駅は荒廃してて正直怖い。ギャングはもっと怖い。