ARIA The AVVENIRE

10/11 18:45新宿ピカデリー シアター1

前置き

先週の予告通りにARIAを鑑賞。
自分が今よりアニメばかり見ていた時期(2005-2008)の作品だが、当時はARIAみたいな日常モノは少なかった記憶がある。
もっとドラマ性が求められていたような。でも今も日常系は増えたけどこういうゆったり優しい雰囲気の作品は少ないな。
1・2期も好きだが、やはり3期で3人の羽化を見せて締める展開が感動的だった。
さてこの映画、作品の知名度の割に上映館数が全国11館とかなり少ない。
来週再来週で地方館が増えて24館くらいになるのだが、東京23区は新宿・亀有の2館のままである。
今度出るBD-BOXの特典で、1・2・3期のBOXそれぞれに1話ずつ入る特典を劇場公開したということなので
あまり大規模に上映する気はないのだろう。
新宿ピカデリーたまこラブストーリーの時も人多すぎであまり好きではなかった(亀有に行くことも考えたが遠い…)のだが
今回もロビーに人多すぎで辛かった…
縦に長い構造上、どのスクリーンに行くにもロビーから4F行きのエスカレーターに乗る必要があり
エスカレーター待ちの人々が溜まりまくる。開場15分前に行ったのに結局入場できたのは予告始まってからだった。
そして公開3週目の日曜夜だというのに人の入り9割。ピカデリーの最大スクリーンですよ。
やっぱあと1・2館増やしたほうが良かったのでは…
客層は男8女2くらいだが、白髪のグランマもおられる幅広い客層だった。


写真は1F〜2Fの階段脇の広告。なんだかこのみんな笑顔だけでもうるっとくるわ。
3Fロビーのチケット販売機側にもでかいタペストリ
(絵柄はこれ)があったが写真に撮る勇気はなかった…
意外に宣伝に力入ってた。

本編について

ここからネタバレ。
とりあえず、開幕の海・ゴンドラ・ウンディーネ(曲の方ね)でまずうるっとくる。まだ誰も出てきてないのに…
話としては約20分の話が3話構成である。OPは牧野由依3部作である。
話としては、
1:その 逢いたかったあなたに…
   アイが灯里を乗せて練習中に、藍華・アリスのゴンドラと遭遇する「みらくる」が。
   灯里がアリシア達のエピソードを思い出して語る。
2:その 暖かなさよならは…
   アイがゴンドラ練習中にケットシーの物陰を見つけて路地を行き着いた先には…
   その「みらくる」を灯里に話すと、灯里はケットシーとの思い出を語りだす。
3:その 遥かなる未来へ…
   アクアアルタの日に、アイ達は先輩たちに「みらくる」を起こそうと密かな計画を立てる。それは…
という感じ。1・2話は原作の未アニメ化話がベースだが、アイ達第3世代に合わせて改変が入っている。
全体的に、過去・現在(本編ラストより後)・未来と、受け継がれながら少しずつ変わっていくARIA世界が描かれていく。
作画も音楽もキャラクターも本編の雰囲気が守られており、視聴者は7年前にタイムスリップした感覚を味わえるだろう。
悲しいかなアニメキャラと違って私たちは年を取るのである…
3話はオリジナルだが、アリシアがある意味主人公の話である。
別れが悲しいってのはそれだけ大事に思えたってことで、幸せなんだよ(要約)ということを灯里が語っていたが、そういう前向きな考え方が詰まっているのがARIAだなーと思い出した。
そういった言葉は簡単に上滑りしがちだと思うのだが、この作品ではそうならずすんなり受け入れられる不思議。
それぞれのキャラクターの生き方がその言葉をリアリティあるものにしているのだろう。


自分がうるっと来たシーンは開幕ウンディーネケットシーボッシュートと、落ち方がやけにリアルでバサバサ服が揺れてたのは笑ってしまったが…)
ともう一つ。
それはラストのアテナさんのシーン。
アテナさんの中の人は声(川上とも子)、歌(河井英里)の両氏ともに若くして亡くなられてしまった。
この作品を作るにあたり、アテナさんの扱いをどうするかというのがかなりの問題だったろうが
ここで安易に代役を立てなかったのは良かった。
1・3話ではアテナさんの出番が抑えられている部分があり(2話はそもそも先輩組が登場しない)
ラスト前までは1話の笑顔最高だったしまあしょうがないかな、と思っていたのだが
ラストのアレでひっくり返されました。ここしかないところでブチこんできました。脱帽です。
このシーンもそうだが、本編に思い入れがある人が見ると色々こみあげてくるだろうシーンが多かった。


あと新キャラについて。
姫屋の新人・葵(cv.中原麻衣)とおれんじプラネットの新人・アーニャ(cv.茅野愛衣)。
葵…マクラーレンは縁起が悪いぞ。メルセデスかウィリアムズにしておこう。
アーニャ…ARIAを見て声優になったかやのんがARIAに参加する。それってとっても素敵なことじゃないですか。でもネオシベリア送りは勘弁な。
アイちゃんとともに、それぞれしっかり先輩の系譜を受け継いでおられました。
あ、男キャラの出番は犠牲になりました(回想で5秒くらい映ってたけど)。残当


まとめ。本編のころから世間は慌ただしく変わったし、
制作のハルフィルムメーカーも今はないし、OP歌ってた牧野由依は飛犬出て流浪の旅からまた復活を遂げたし
中の人たちも色々なことがあった。
ARIA世界はそんな喧騒をよそに、また今までと変わらない姿を見せてくれた。
でも何も変わっていないわけではなく、少しずつ新しい芽が生み出されているのだ。
思い出だけを大事にしつつ、それだけでは終わらせない、希望のあるいい話だった。