ソラノスフィア


4/29に発売された新居昭乃さんの新アルバム「ソラノスフィア
4年半ぶりのオリジナルアルバムに期待感膨らませまくりでしたが、
その期待を裏切らないのはさすがでした。
各曲の感想文は以下の通り。


1.Haleakala
タイトルの意味は「太陽の家」
ハワイのマウイ島にある火山の名前です。
アルバムの1曲目ですが、逆に締めに持ってきても違和感ない曲だとと思いました。
(締め方とか、飛んでいく感じや壮大さが)
サビで柚楽弥生さんのコーラスと重なる「Haleakala」の最後の感じが好きです。


2.Monday,Tuesday
げつようび、げつようび…
憂鬱な日常といった始まり方だけれども、
そんな心を解き放ってくれるような曲。


3.鏡の国
振動音で奏でられるメロディが印象的。
新居さんらしい「甘いだけ」じゃない苦味のある曲。


4.ターミナル
鐘っぽい音色から始まる優しい曲。
「Monday,Tuesday」やこの曲は、前アルバムと違った包み込むような感覚があります。


5.印象
キャッチーな曲調を揃えたここまでとは違った
淡々とした曲。
滲みるような曲を作らせたら昭乃さんは強い。


6.mizu
フランス語の曲。
印象と同じくスローな曲だがこちらは曲名の通り
雨の午後のような雰囲気。印象はどちらかというと真空な雰囲気。
印象まではエレクトロな音色多用でしたが、
この曲はアコースティック。


7.ノルブリンカ
タイトルの意味は「宝石の庭」
チベットの中心、ラサにある離宮の名前。
曲名は明るそうだけれど曲調は暗め。
「白昼夢」のようなぼんやりとつかみ所のないメロディが広がる。


8.Orient Line
一気にハイテンションに切り替わる大音量なイントロ。
初めて聞く方はノルブリンカからの落差にビックリすると思われる。
新居さんの曲には珍しく、エレキギターソロがあります。
「エデン」に収録予定だったとのことですが、何だか吹っ切れたような曲調は
こちらの方が合ってると思います。


9.Lhasa
タイトルはファイル解凍ソフト…ではなかった、チベットの王宮がある街。
二胡のメロディと、ハッとする緊張感あるサビが美しい。


10.At Eden
このアルバムで唯一、他のCDにも収録されている曲。(VHmusic)
本作で唯一昭乃さんが編曲までやっている曲のせいか、過去のアルバムのような
淡々とストレートに、ドラマチックに歌い上げる感じがよいですね。


11.The Tree of Life
踏みしめるようなリズムが印象的な曲。
「ガレキの楽園」のようなちょっと荒れたイメージ。


12.Wings of Blue
ゼーガペイン」でコンビを組んだRocky Chackがコーラスに参加。
ゼーガペインEDの「リトルグッバイ」のような4つ打ちリズムと
エレクトロなメロディー。昭乃さんにとっては今までに類を見ないくらい明るい曲です。
歌詞も含め、ある意味らしくない?1曲。


13.太陽の塔
タイトルは1970年の大阪万博の際に岡本太郎氏が制作したアレ。
太陽に始まって太陽に終わる。
Haleakalaの太陽はギラギラ眩しいくらいでしたが、
こちらはぽかぽかじんわり暖かい。



【全曲を通して】
明るめな曲でもどこか無理しているような感じがあるなど、暗さを潜めていた「エデン」とは違って
前向きな強さが伝わってくるアルバムでした。
その前向きな曲、特にOrient LineやWings of Blueは今までの作品にはない
ハイテンションさがあり、作品性の広がりを示すとともに
前後の比較的「いつもの」彼女に近い曲との落差が大きかったかな、という面もあります。
太陽の塔」は2008/3の品川教会ライブで始めて聴いたときの強い印象が
このアルバムでは弱まってしまった気もあり、そのあたりは少々残念かなとは思いましたが
それでも4年半待った甲斐のある、心のスキマに染み渡るアルバムであることには
変わりありません。


本作の発表と前後して、「狼と香辛料」2期のオープニングテーマを新居さんが
担当されることが発表されました。
1期のOP担当、清浦夏実さんも素晴らしかっただけに期待値が高まってしまいますが
ここは焦らず待つことといたしましょう。
あと2ヶ月?なんて新居さんのファンにとっては一瞬でしょう。