ポッピンQ

2017/01/08 11:40 川崎チネチッタ チネ3

前置き

この世界の片隅に」に続く中四国強化期間2作目(高知)。
本当は年末に見に行こうと思っていたのだが、体調を崩したために年明けに。
しかしあまりの客入りの悪さに、この時点で上映回数が限られていた。
君の名は、聲の形この世界の片隅にと2016年後半にヒット作が連発されたなかで
この映画の予告はめっちゃ上映されていたと思うのだが・・・
客層がおっさんと家族連れで二分されていた通り、
黒星紅白のキャラデザで前者を、プリキュアっぽいキャラ構成とダンスで後者を狙ったような作品なのだが
2つの要素がそれぞれのターゲットを遠ざけてしまった気がする。
自分はプリキュアとかプリパラの映画を見に行くほどレベル高くないので
この映画もちょっと見に行くのをためらってしまった。

本編について(ネタバレ)

ストーリーに関してはプリキュア系の延長線上にあると思う。
それぞれケガでの不完全燃焼・あがり症・コミュ障・
武道とおしゃれの両立・才能ありすぎてコミュニティ破壊からのヒッキー
という現在・過去の悩みを抱えた5人が戦乱の異世界に飛ばされ、
そこで出会ったポッピン族たちに頼まれてダンスで世界を救うというお話。
最後の流れがよくわからないって?細かいことはいいんだよ。
テーマは葛藤の克服、卒業という感じかな。
見所としては、ポッピン族のダンスがめっちゃかわいいところと、
裏主人公・沙紀が本気を見せるシーンのカタルシスあたりか。
ストーリーに関してはおっさんが見るには予定調和というか先が読める。
城にかかった橋を、きっかり自己ベスト以上の記録で走らないと落ちるとかいう
シチュエーションを素直に受け取れなくなっているので、ここが笑いどころになってしまった。


キャラについて。
冒頭のわずかな時間で5人のキャラがすんなり入ってきたりするのは良いところ。
が、その後掘り下げがあるのは実質主人公の伊純のみなので、
残りの4人はコミカライズ(reverse)とか小説(ポッピンドロップ)を読まないと補完できない。
本編でも単なるテンプレキャラじゃないところを見せていて、魅力があるだけに惜しい。
あとは謎めいた少年、レノ役の内山昂輝が怪演を見せていたりも楽しい。
他の声優陣は蒼役の井澤詩織を始め、あまり中の人が出てこない演技をしていたような気がするが
クライマックスの沙紀に関しては黒沢ともよ様の演技から黄前久美子響け!ユーフォニアム成分が漏れ出ていた。
ここまであまりしゃべらないだけにちょっとびっくりする。


キャラがしっかり立っていて、派生作品が結構面白かったり、
ストーリーがめっちゃサクサク進んでラストに謎の余韻を残す高校生編があったりと
本当はTVシリーズ企画だったんじゃないの?という気もするこの作品。
興行成績ほどつまらないわけじゃないので、もうちょっと人気出てもいいんじゃないと思った。
4/22-28の1週間、キネカ大森で「虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜」と一緒に上映されるようなので
また見に行ってもいいかな。1300円だし。
アナ雪+ベイマックス(ラストだけ)・・・って適当に言ってみただけです。