「パーマネント野ばら」を見ました

場所は109シネマズMM横浜。シネコンの建物の周りは横浜駅とみなとみらいの隙間で殺風景な場所。
文学少女のおかげで映画館が好きになってきた。非日常な空間万歳。
スクリーン2(188席)で客入りは半分弱といったところ。客層は30代以上の女性が多めな感じ。

ジジババが人生を謳歌する鄙びた田舎。

この映画はサイバラこと西原理恵子の漫画が原作な訳ですが
ロケが彼女の出身地、高知県で行われ田舎感がバリバリ出ている。
町並みはぼろっちいけど山の緑も海の青も空の色も広くて濃い、美しいところです。
新しいモノなんてない、まともな若者は都市へ出て行ってしまう場所。
主人公はこの場所で生きる人を「残りカス」と言っていますが
そんな町で生きる人々は生命力に溢れてます。
特にジジババ。宇崎龍童演じる義父や夏木マリ演じる母、
「パーマネント野ばら」に集まるパンチパーマの婆どもは
本当に生きたいように生きている。
ガキ使やら金鳥のCMに出てくるようなジジババがわらわら出てきて愛らしい。

ダメな男どもとそれでも愛する女たち。

本作に出てくる男には、江口洋介演じるカシマを除いてまともな奴はいない。
飲む打つ買うが基本で暴力もオプションで。
そんな男どもに惚れる女達はどうかしてると思うんですが、
彼女達が不幸に見えるかというとそうでもない。
ギャグっぽい演出もあるけど、そういう現実もある意味楽しんでいるように見える。
主人公なおこの友人である、みっちゃんとともちゃんはダメ男に人生振り回されてるけど
それを苦にせず強く生きている。

そんな環境にちょっと浮いた存在ななおことカシマ。

そんなダメな感じな町が描かれているわけだけれども、
なおことその恋人カシマだけはそういうダメな感じから離れた
ちょっと浮いた存在になっている。
2人が会う理科室は小奇麗で、町の雑然とした雰囲気とは違う。
本編を最後まで見ればその理由に納得するわけだけれども
予想外の方向だっただけにビックリ。

小池栄子池脇千鶴の存在感。

なおこの友人、みっちゃんとともちゃんを演じる小池栄子池脇千鶴の存在感が印象的だった。
パワー溢れるアホキャラを演じる小池栄子はなんだかオーラが出てた。インパクトは本作1。
ズバっと心に刺さる言葉を吐く友人メガネキャラの池脇千鶴はじわじわと来る。
なおこ、みっちゃん、ともちゃんの子役時代を演じた3人の子役もハマってた。


中盤まではクスクス笑え、後半はじんわりと心に来る佳作でした。
そういやチケット買うときに「パーマネント」「野ばら」と分けて発音するか
「パーマネント野ばら」と一直線に発音する(「野ばら」の前に音を下げるか下げないか)で迷った。
自分は前者で発音したら店員さんは後者で返してました。どっちが正しいの?